人気漫画『鬼滅の刃』の無限列車編は劇場版にもなったほど、鬼滅シリーズ内でも屈指の名場面・名作品となっています。アニメ化でも無限列車編は描かれています。
そして無限列車編の中で重要な鍵を握るのが夢の存在です。しかし見ている私たちも一体どこからが夢だったのか、現実との境界線が曖昧になっています。
特に炎柱・煉獄杏寿郎の夢はどこからなのか、雑魚鬼の夢は誰の夢だったのかも曖昧です。そこで煉獄さんの夢を元に、どこからが夢なのか、雑魚鬼は誰の夢なのかをまとめました。
鬼滅の刃無限列車編|煉獄の夢はどこから?
切符を切られた瞬間から
煉獄さんの夢はどこからなのか?は「雑魚鬼の夢は誰の夢なのか?」が判明しない限りはっきりとは言えないですが、個人的考察と結論から言ってしまえば「煉獄さんが切符を切られた瞬間から」と言えます。
炭治郎はじめ4人のなかで一番最初に切符が切られたのが主な理由です。
魘夢の血鬼術・夢に入る仕組み
魘夢の血鬼術・幸せな夢を見せる術を人間にかける&人間を引き込むための手段として
「魘夢の術がほどこされている切符を切られることで眠らせる」
が条件だったことが後に判明します。
このため、煉獄さんは切符を切られたとともに眠りに入り、魘夢の血鬼術・夢に誘われたと考えるのが妥当です。
鬼滅の刃無限列車編|雑魚鬼の夢は誰の夢?
炎柱・煉獄杏寿郎の夢の可能性大!
先に説明した通り、
「切符を切られた瞬間から夢に入る」という点から、鬼殺隊の中で一番最初に切符を切られたのが炎柱・煉獄杏寿郎と見られるので、雑魚鬼の夢は煉獄さんの夢である可能性が高いです。
その裏付けとなる点としては2点あります。
まずは1点目として切符を切られる前との煉獄さんと炭治郎とのやりとり。
煉獄さんは「俺の継子になるといい!」と煉獄さんの門下に入らないかと炭治郎に話していますが、炭治郎はただただ戸惑って返事をせず「面倒見のいい人」と白目を向いています(鬼滅の刃7巻より)。
そして雑魚鬼を倒した後は炭治郎はじめかまぼこ隊3人が「弟子にしてください!」と煉獄さんを慕うのです。
このため「継子になる」という話題をしていた煉獄さんの夢であると考えるのが打倒です。
そして2点目として、雑魚鬼を倒した後の炭治郎たちの台詞です。
「すげえや兄貴!見事な剣術だぜ」「おいらを弟子にしてくだせぇ!!」
炭治郎本人ならこんな口調では喋りません。それに続く善逸・伊之助の台詞も同様です。(鬼滅の刃7巻より)
これは煉獄さんが炭治郎たちとまともに会話したことがなかったからこそ、煉獄さんの想像・イメージで作られている可能性が高いのです!
この2つの理由により、雑魚鬼の夢は炎柱・煉獄杏寿郎の夢である可能性が極めて高いといえます。
炭治郎の夢の可能性は?
切符を切られる前の「継子」の会話、さらに切符を切られた直後の炭治郎の様子(嫌な匂いがすると気づく)から、炭治郎の夢である可能性もあります。しかしながら炭治郎の夢である可能性は極めて低いと思います。
個人的な考察としては、
- 炭治郎自身が意識があった&炭治郎視点は「嫌な匂いがする!」と思ったところまで
- 炭治郎が「嫌な匂いがする」と思った直後に次のページに変わる=煉獄さんの夢視点への切り替えとも取れる
- 炭治郎の煉獄さんに対する兄貴発言などの台詞
を踏まえると、雑魚鬼の夢は炭治郎の夢ではないと考えられます。
鬼滅の刃無限列車編|煉獄の夢はなぜ現実?幸せな夢ではなく切ない過去だった理由
炭治郎たちの夢は現実逃避のような幸せな夢
炭治郎たちの夢は「いかにも夢」を強調するような夢でした。
炭治郎は家族と元の暮らしをする夢(現実にはどうあがいても叶わない夢)、善逸は人間に戻った禰豆子とデートをする夢(不可能ではないがどう叶えたらいいのか先が見えない希望的な夢)、伊之助は炭治郎たちと洞窟探検をする夢(理屈や理性が全く無い楽しい欲望の夢)と、ある意味現実に目をそむけた切なる願い・幸せな夢です。
魘夢の夢は「自分の心にあるもの」を都合よく幸せに見る夢です。
煉獄は夢を見ずに現実を受け入れ「今」だけを見ていた
しかしながら煉獄さんが見た夢は
- 鬼を倒して炭治郎たちにリスペクトされる夢(現実的にあり得る話)
- 過去の出来事をそのまま体現する夢(現実にあったこと)
でした。
先述に「魘夢の夢は心の中にあるものを都合よくした夢」と考察で書きましたが、逆を言えば「心の中にないものは夢として見せることができない」といえます。
煉獄さんの夢=現実的で過去にあった物事を見てみると、
- 父親が炎柱を退いた上で自分に言い放った言葉の数々
- 母親の願いと病による死別
- 弟へ嘘偽りを述べすに深く思いやって兄として生き方を享受する姿
この点から、煉獄さんは過去・現実を全てをしっかり受け入れていて、都合の良い夢を見ることができない精神力&性格だったといえます。
作品の流れ・話の都合上もある?
作品制作の観点としての話・ネタバレになりますが、煉獄さんがこの後、上弦の鬼・猗窩座との戦闘および死亡してしまうストーリーの伏線・バックボーンを描くという観点も、煉獄さんの夢の描写シーンで表現されています。
- 炭治郎たち並の鬼殺隊との格の違い(精神面・人間力・対鬼との戦闘経験の差)
- 煉獄杏寿郎を形成している土台(母の遺言)
- 煉獄さんの性格や人柄
都合良い夢を見ることなく寝顔がしかめ面になっている場面も、鬼との戦闘経験の豊富さから過去の経験により直感的に不穏な雰囲気や状況を察知できていたと考えられます。だからこそ無意識下で核が壊されそうになった時に反射的に身体を動かすこともできたわけです。
話の都合上、煉獄さんの格の高さを表現するエピソードでもあったため「煉獄さんにだけは都合の良い夢は見せられなかった」設定となった側面もあるかと思いますが…
それでもストーリーや煉獄さんの言動・行動に矛盾なく描ききっているのは作者の能力・度量ですよね…!