ぬすまれた放課後あらすじ!どんでん返しの原作小説・死者の学園祭

少女漫画雑誌『なかよし』で掲載されていた松本洋子の『ぬすまれた放課後』。少女漫画雑誌のなかでミステリーやホラー要素を扱った作品で、印象に残っている読者も多かったのではないでしょうか?
懐かしい漫画『ぬすまれた放課後』のあらすじをまとめました。
漫画『ぬすまれた放課後』登場人物・キャラクター
白川亜由美
主人公・ヒロインの白川亜由美 (しらかわ あゆみ)。英語が得意な中学2年生の女子生徒。
大阪で暮らしていたが、両親が仕事でアメリカ赴任となり、おじさまの家に預けられた。転校先はおじさまが理事を務める手塚学園の中等部2年生に編入した。
一見優等生タイプなもののカッとなりやすい性格も。もともと
杉野英人
杉野英人(すぎのひでと)は手塚学園高等部2年生の男子高校生。亜由美が転入した翌日に大阪の旭ヶ丘高校から転入してきた。
亜由美に積極的にアプローチしてくるイケメンでナンパなところもありつつも誠実さもみられる。
亜由美への事件の調査にも協力的だが・・・?
長池幸枝
長池幸枝(ながいけゆきえ)は中等部2年生で亜由美のクラスメート。転校してきた亜由美にすぐに声をかけてきてくれたフレンドリーさもある女子中学生。すぐに亜由美の親友となった。
美術部に在籍していて絵の実力がある。担任の倉林先生に好意・想いを寄せている。
鈴木守
鈴木守(すずきまもる)は幸枝同様に白川亜由美のクラスメート。クラスのマスコット的な存在。転入してきた亜由美に100点をつけるくらいの一目惚れをした。
運動音痴でありながら、亜由美と一緒にいようとして同じ部活・陸上部に入部して苦労する。
亜由美のいるところにわいて出てくるような様子に、英人には神出鬼没な奴と思っていたりする。
細川恭子
亜由美に気さくに話しかけてくれたクラスメイトの3人組の一人・細川恭子(ほそかわきょうこ)。小野治子・柳田真弓といつも一緒にいる仲良し3人組。
髪の毛を一つ結びにしていて控えめな性格。ある日下校途中にひき逃げに合い死亡する。
柳田真弓
白川亜由美のクラスメイトのなかよし三人組のひとり・柳田真弓(やなぎだまゆみ)。小野治子と細川恭子といつも一緒に行動している。
3人の中で背が高く、ピアノを習っており練習熱心。学校の講堂のグランドピアノで1人練習していることが多く、このことが仇となって死亡する。
小野治子
亜由美のクラスメイトのなかよし三人組のひとり・小野治子(おのはるこ)。黒髪ショートカットの女子中学生で3人の中で一番行動的でリーダーシップがある人物。細川恭子と柳田真弓と一緒に、何かいたずらまがいの面白そうなことを企んでいる。
倉林先生
中等部2年生の亜由美たちのクラスの担任で英語教師。
気さくで誠実な性格とカッコよさから、特に女生徒からは人気のある先生。
何か意味アリに悩んでいる様子があるが・・・。
西田先生
芸術家肌の美術担当教師。男性教師ながら童顔でかわいいと学園の生徒から一定の人気がある。
温和な性格のため彼の授業中にテスト勉強をしても怒られないと思われるなど、一部の生徒からはなめられた態度をとられることもある。
小島先生
理科担当の男性教師で「インケンが服を着て歩いている」と言われるほど学園の生徒からは嫌われている。
しかし実はアイドル歌手の熱烈なファンであるという噂があり、教材のビデオテープにアイドルを録画しているなどといった噂があり、なかよし3人組がいたずらしようと乗り気になるが・・・。
西村雅子
西村雅子は亜由美が転校する前にいた中学校のクラスメート。亜由美の親友だったが学校の屋上から飛び降りて自殺した。
亜由美は雅子の自殺後、心のこりのまま亜由美は転校してしまったが、後の調査で雅子が麻薬を使っていたことが判明する。
和宮綾子
和宮綾子(かずみやあやこ)は手塚学園高等部・演劇部部長で才色兼備の女子高生。
学園・亜由美の周りの一連の事件を舞台化したいと提案し、亜由美にお芝居の台本を作ることができないかと相談を持ち掛けてくる。
杉野英人と良い感じの関係なのではと誤解しがちに。
おじさま
亜由美のおじで、手塚学園の理事。亜由美を預かり、一緒に生活している。
気さくで、何でも話しやすい人柄。お金持ちと上品さがある人物で、亜由美にとって素敵で信頼のおける人。
おばさま
亜由美のおば。いつも笑顔で上品かつ優しそうな人物。亜由美に対して本当の子供の様に接してくれて「娘にならない?」とまで言ってくれるような女性。
漫画『ぬすまれた放課後』あらすじ
漫画『ぬすまれた放課後』の大きなあらすじをまとめました。
記憶を元にまとめているため、ストーリーの時系列等が前後している場合もありますが、大まかなあらすじは抑えてあります。
冒頭の飛び降り自殺シーン
物語のはじめは女子中学生の飛び降り自殺シーンからはじまります。主人公・白川亜由美の回想シーンともいえる衝撃的な場面は以前の亜由美が通っていた中学校での出来事。
亜由美はおじさま・おばさまの家に居候することになり、おじが理事を務める学園の中等部へと転入します。
転入初日とクラスメートたち・杉野との出会い
転入したその日から、クラスメートたちは亜由美に気さくに話しかけてきてくれました。
美術部の長池幸枝、男子生徒たちがそれぞれ高得点を付けている中、100点をつけて一目惚れの鈴木守、そしてなかよし3人組からは学校の模試予想や教師の評判リストをお世話になることに。
さらに翌日には高等部への転入生・杉野英人とも出会い、お互い大阪からの転校ということで何か訳ありの様子も見え隠れするのでした。
親友・雅子の自殺の真相は?
以前通っていた大阪の中学校の親友・雅子が麻薬を使っていたことを電話で知ることに。
雅子の不可解な自殺の真相が分からないまま、亜由美は転校してきたことが心残りとなっていた。
仲よし3人組のいたずら・悪巧み
いけ好かない理科の小島先生の噂・・・好きなアイドルを教材ビデオの残りに録画して視聴覚室で楽しんでいる!?
このビデオテープを入手して小島先生をギャフンと言わせたい、と恭子・真弓・治子の仲よし3人組は視聴覚室に忍び込み、ビデオを探す。
噂のビデオテープを見つけ出したついでに、面白そうなビデオはないかと物色・再生してみたところ、絵画や花瓶などが映し出され・・・
この時3人はとある人物に見つかり勝手に視聴覚室に忍び込んだことに対して注意を受ける。
恭子死亡のひき逃げ事故
視聴覚室に忍び込み、見つかって注意を受けた後に解放された3人はそれぞれ帰路につくが、恭子が車にひかれて死亡してしまう。
真弓死亡の照明落下事故
次はなかよし3人組の真弓が体育館ステージ上でピアノの練習をしている時に照明が落下してしまい死亡。
現場から立ち去る担任・倉林先生の姿が…
倉林先生を疑うような亜由美の言動に幸枝が反発する。
治子も死亡
いつも3人でつるんでいた友人2人が事故で立て続けに亡くなったことで、偶然の不幸ではなく意図的に誰かに殺された上にその心当たりがある治子。
犯人をおびき出して2人の仇討ちをしようと試みるものの逆に殺され自殺に偽装されてしまう。
仲の良かったクラスメート2人を相次いで亡くしたショックからの自死と見られたものの、亜由美たちは治子が自殺するとは到底思えなかった。
自分の受け持つ生徒3人が死んでしまったためなのか、倉林先生は学園から姿を消してしまった。
杉野と事件の真相を追う仲間に
同じ大阪からの転入生同士、亜由美と杉野は学園で起きている事件を追う間柄になっていく。
杉野も訳ありのようで密かに事件を探っている様子も伺える。
亜由美の潜入捜査と犯人の手に陥る
3人のクラスメートの不可解な死の原因は視聴覚室のビデオにあると踏んだ亜由美。
夜中に学園に忍び込んで単独操作をしてみることに。
学園の敷地内に侵入する際、秘密の金網部分を突破した時にお気に入りのパーカーの袖を破いてしまう。
視聴覚室を覗いてみると、そこにはビデオを見ている大人たちの姿…盗品のオークションをしている画面を目的してしまう。
オークションの司会の声に聞き覚えがあり、一体誰が話しているのかとさらに様子を伺おうとした矢先、何者かに襲われて意識を失ってしまう・・・。
薄れゆく意識の中で、西田先生が手を伸ばす姿やオークションの様子などの風景がよぎるが・・・。
亜由美が目を覚ますと自宅のベッドの上で朝を迎えていた。
服装は昨夜のまま。さらに着ていたパーカーも破れておらず、昨夜の出来事は夢だったのではと亜由美は混乱する。
捜査仲間・杉野とのすれ違い
学園への忍び込みが夢だったのかと混乱する亜由美。
杉野にも相談するものの怒られてしまい、ちょっとした意見の相違で2人の仲はすれ違い状態になる。
さらに杉野と同級生の演劇部長・和宮綾子から亜由美が体験してきた事件・事故を題材にした演劇を学園祭で披露したいと話しかけられる。
破れたパーカーの真相
行きつけのブティックで洋服を選んでいる亜由美。店員に「先日のパーカーはどうでしたか?」と声を掛けられたが全く心当たりがない。
亜由美が店員を問い詰めると、店員は「じゃあ成功だったのね」と言いながら真実を話してくれた。
亜由美が夜の学園に潜入した日の夜遅い時間、おばさまから電話があり、亜由美が明日着ていくお気に入りのパーカーを駄目にしてしまったので急遽用意してほしいと依頼され、夜中店舗中を引っ掻き回してようやく全く同じパーカーを見つけ出してその日のうちに送り届けたという。
「一体なぜそんなことを?」という、おじさまやおばさまへの疑念で頭がいっぱいのまま、亜由美は学園祭の当日を迎えた。
学園祭での演劇
学園祭での演劇「死者の学園祭」が上演された。
演劇ではこれまでの事件の真相が語られていた。治子たち3人が実は学園の大きな秘密を知ってしまったために殺されたという真相、巨大組織の悪事が発端だったことが明らかになっていく。
美術の先生はじめ学園ぐるみの悪事
演劇を中断し、現れた倉林先生によって全ての真相が暴露される。
治子たち3人組が視聴覚室で見つけたビデオテープは盗難された美術品を録画し闇のオークションをするためのもの。
3人が視聴覚室にいた現場を抑えたのが西田先生で、秘密のビデオテープを見てしまった3人を次々と殺害。
学園全体が闇オークションの場になっており、学園ぐるみで先生方も加担。さらに組織の黒幕は学園の理事を務めている亜由美のおじさまだった。
大阪での親友の麻薬・自殺も学園の黒い部分に関わるものだった。
倉林先生は罪の意識に苛まれ思い悩んでいたが全てを告白、亜由美のおじさまを告発して事件は終結を迎えた。
亜由美はおじさまが黒幕であったこと、杉野が全てを知っていたことにもショックを受ける。
亜由美と杉野の別れと後日談
全てが終わり、亜由美はアメリカの両親の元へと旅立つことに。空港には亜由美を見送るために、幸枝、守、杉野も駆けつけた。
杉野の口から、治子たち3人の殺害は西田先生単独で行われたもので、おじさまは無関与だったことを聞き、「それだけが心残りだったの」と安堵の涙を流す亜由美だった。
『ぬすまれた放課後』原作は?違いについても
原作は『死者の学園祭』なのでだいたいストーリーはおんなじだったと思いますが…
主人公と一緒に暮らすのが両親かおじさま夫婦かの違い
原作『死者の…』では主人公は両親と暮らしていましたが漫画『ぬすまれた放課後』では叔母夫妻のもとで生活、転校してきたという設定でした。そのため黒幕が違ってきます。
親友と担任の先生の交際の有無
原作では同級生と担任の先生の交際がありましたが、漫画のほうでは幸枝は担任・倉林先生には憧れ程度の恋心にとどまっていて交際や生々しい恋愛模様は描かれていません。